柔道整復師について
転職理由 (1)
現在7万人を超える規模となっている柔道整復師の業界では、転職も珍しいことではありません。
しかし、安易な転職は自分のキャリアにマイナスになり、時には次へのステップに進む際の足かせになることもあります。
以下のような点を知っておきましょう。
■柔道整復師の転職の現状
柔道整復師の転職には、主に以下のような理由・形態があります。
(1)他業種への転職(ステップアップ)
整骨院、整形外科、介護福祉、整体・マッサージ院、スポーツトレーナーなどの中で、ある業種から他の業種へ変わる転職形態です。
これには、「もっと経験を積みたい」、「他の業種の方が高所得を望める」、「仕事に安定を求めたい」、などの理由があります。
上記とは別に、全く異なる業種から、資格を得て柔道整復師に転職する人もいます。
通常は新卒と同等の条件ですが、接客や事務、経営面などで他業種でのスキルを活かせる部分があれば有利に働きます。
(2)同業種への転職(ステップアップ)
整骨院→別の整骨院、整形外科→別の整形外科といったような、同業種内での転職スタイルです。
このケースでは、知人の紹介、優秀な人材の引き抜き、所得アップなどの理由が見られます。
基本の業務内容が同じなので、スムーズに転職先になじめる、業界のことを熟知していればそれを新しい勤務先で活かせる、といったメリットがあります。
(3)勤務先との不一致による転職
(1)(2)と異なり、職場の人間関係や、待遇面での不満、考えていた業務内容との相違などによる転職です。
勤務先からの「解雇」というケースもありますが、労働者保護の意識が高い昨今、一方的な解雇処分にまで発展することは少なく、この場合は雇用・被雇用のどちらかに重大な過失や倫理観の喪失があることも考えられます。
(4)その他の理由
他にも「妊娠・出産」「家庭の事情」「勤務先の廃業」などといった理由で、転職や退職を余儀なくされる場合もあります。
このようなやむを得ない事情は、キャリアに傷をつけることにはならないので、過度に不安を感じる必要はありません。
ただし、必要以上にブランクを置いてしまうと、施術師としての勘が鈍ることもあります。
仕事を再開する意思がある場合は、早めに転職活動を進めましょう。
また、「健康上の理由」というケースもありますが、転職に向けた活動を始める時点では、通常通り働ける状態に戻しておくことが大切です。
上記のように転職には個々の理由がありますが、転職活動を行う際には、様々な方法を駆使して情報を集める必要があります。
■求人ツールをフル活用
転職をする際に、新しい就職先が決まっていない場合、柔道整復師の求人を探すのには以下のような方法があります。
・ハローワークに登録
企業側は無料で求人を出すことができる上、公的機関であるという信用度があるので、多くの会社が活用しています。
ただし、公開されている内容は統一の規格に準じているため、求人票の閲覧だけで得られる情報量は決して多くはありません。窓口での相談がおすすめです。
・求人Webサイトを活用
一般企業などがWeb上で公開している求人サイトです。
求職側は無料で利用でき、求人情報に加えて業界情報の記事が閲覧できたり、スカウトメールが活用できたりします。
企業側も広告として掲出していることが多く、有料ゆえにPRにも力が入っていて情報を多く得られます。
同様のサイトは多数あるため、比較検討して信用できるサイトを探すことが大切です。
・人材紹介会社に登録
求職者と企業とのマッチングを行っている会社に登録し、希望内容と合致するところを紹介してもらう方法です。求職側は通常無料で利用できます。
求職活動の手間が大幅に削減できますが、紹介会社が主導して企業リサーチを行うため、事前に入念な打ち合わせをしないと、自分の理想と食い違った結果になることもあります。
・合同企業説明会に参加
求人を行っている会社が集まって、会社説明や入社案内を行うイベントです。
各地で開催されており、無料で気軽に参加できるのが魅力となっています。
1ヵ所で多くの企業を訪問できるという大きなメリットがあり、担当者などと直接コミュニケーションできるため、相手企業の雰囲気を知ることができます。
ただし、新卒限定のイベントもあるため、事前に確認しておきましょう。
・養成施設での転職活動
柔道整復師養成施設では、大半の学校が卒業見込み者に対する就職支援などを行っていますが、学校によっては既卒者への転職フォローにも対応してくれるところもあります。
転職活動を始める際に、一度卒業校の担当者に相談してみるのも一つの方法です。
ただし、企業は新卒者を求めていることが多いので、既卒者ならではの業務スキルや社会人としての常識などで、ベテランとしてのアピールができるよう事前にしっかり準備を整えておきましょう。
以上が転職活動で活用できるツールです。
それぞれに特徴と個性があり、年を追うごとに新しいものも登場しています。
このようなツールの中から自分に合ったものを選択し、比較検討しながら転職活動を進めていくと良いでしょう。