鍼灸師について
就職活動・就職先 (1)
はり師・きゅう師国家試験に合格し免許の交付を受けたら、鍼灸師として患者への施術ができるようになります。
その前に、鍼灸師として長く活躍し、キャリアを積んでいくためには、就職活動をきちんと行っておくことが大切です。
■鍼灸師の就職先
鍼灸師の資格を生かせる就職先には、主に以下のようなものがあります。
・鍼灸を行う施術所
鍼灸師の進路で最も多いのが、鍼灸を行う施術所です。鍼灸院だけでなく、鍼灸整骨院や鍼灸マッサージ院など、複数の施術形態を併せ持つ施術所もあります。
施術所勤務を希望する場合は、はり師・きゅう師とは別の資格も取得しておくと、就職活動の際に選択の幅が広がります。
・医療機関
病院や診療所などの医療機関への就職は、医師と連携して鍼灸施術を行う場合と、機能訓練指導員として医療施設に付随したデイケア・デイサービスなどで働く場合があります。
・介護福祉施設
特別養護老人ホームや有料老人ホーム、デイケア、デイサービスなどの介護福祉施設では、鍼灸師の免許を持つ人が高齢者のサポートを行う機能訓練指導員として勤務することが可能です(実務経験に関する条件あり)。
・一般企業
スポーツトレーナーや運動指導者、メディカルスタッフとして、スポーツ関連事業を行う企業で勤務する鍼灸師もいます。
・養成施設
鍼灸師として現場での施術を行うのではなく、専門学校や大学などの養成施設で講師を務め、東洋医療について学んだ技術や知識を後進に伝える仕事です。
参考までに、各養成施設の卒業後進路調査などを総括すると、施術所に勤務する人は7割程度、医療施設での勤務者は1割程度で、その他の業態はいずれも少ない比率で分散しているようです。
ただし、鍼灸と同時にあん摩マッサージ指圧師の資格も取得した人の場合は、出張マッサージに対応できるため、出張専門の施術師となった人が2割近くいるというデータもあります。
■就職へのステップ
・国家試験の受験準備、就職活動
養成施設で3年次(大学の場合は4年次)になると、国家試験に向けての準備が始まります。
これに合わせて、春頃からは施設内での就職ガイダンスなども開始されるようになります(実施は各校の方針による)。
こういった動きに合わせて、個人で行う就職活動も進めていきますが、2年次からすでに就職活動を始めている人もいるようです。
就職活動を始める時期や活動内容によって、内定をもらえるタイミングが変わってきます。
国家試験の前は受験勉強に集中する環境を整えておいた方が良いので、できれば早めに内定を得た方が精神的にも余裕が持てます。
・国家試験受験
はり師・きゅう師の国家試験は、例年2月下旬に実施されます。
養成校の授業も、試験前の時期は受験対策を中心としたものになります。
・養成施設を卒業
養成校によって若干異なりますが、多くの学校が3月中旬に卒業式を行います。
・合格発表
国家試験の合格発表は、例年だと3月末に行われます。
平成30年に実施された試験の合格発表は3月28日でした。
・免許の申請、取得
国家試験に合格したら、免許の交付申請を行います。「東洋療法研修試験財団」という団体に対し、はり師・きゅう師名簿への登録申請を行い、無事に登録が完了したら免許が交付されます。
・就職
養成施設の卒業、および国家試験をパスしたら、晴れて鍼灸師として勤務することが可能になります。
ただし、就職活動が滞っていると、国家試験や卒業の時期に活動しなければならないことになります。
就職活動は、早めに開始することが肝心です。